2009年 08月 23日
花はどこへいった~ベトナム戦争のこと知っていますか~#375 |

8月の映画「花はどこへいった」を22日土曜日見に行ってきました。また監督の坂田雅子さんにもお会いしてきました。残念ながら超多忙ということでFMわぃわぃにはおいでいただくことはできませんでしたが。
映画については、シグロ配給ということでもお分かりのように、素晴らしい視点の映画です。インターネット検索で予告や坂田監督のインタビューも見ることができます。
私が強く動かされたのは、坂田監督がこの映画を製作する過程の中で、社会の事象の背後にあるものを見ることができるようになり、そしてその耳が真実を聞き分けるようになる、、という一節でした。この映画が発しているのは、まさにこれだと思います。
一人一人が目を覚まし、耳を澄まし、莫大な資金を使って発信される情報や社会の動きに目を凝らしじっくり見据える覚悟を持て!という警告だと思いました。
坂田監督の最愛の夫、そしてフォトジャーナリストとして社会的メッセージを送り続けてきたグレッグ・ディビスさんは、2003年月ベトナム戦争参戦での枯葉剤が原因の肝臓癌で2週間という入院の末あっという間に亡くなられました。日本に在住しながら30年以上にわたる彼のジャーナリストとしての目線は、社会の不条理を伝えるということ。「たくさんのものを見れば、たくさんのことを知ることができる。そしてたくさんのことを知れば社会を世界を変えることができる」でした。娯楽も趣味世界も大切だが、表現者として世界に生きる人々の幸せのための写真ということを目指す、、それを貫いたのは、自身が参戦したベトナム戦争での気づきが基本です。私たちもいろんなことに気づきますが、果たしてそれを継続して発信し続けたか、、、ということを考えた時、大きな悔恨が湧き出てきます。このグレッグさんの真意を坂田監督は「映画」というメディアを創る事で、ご自身も実感され、そしてこの映画を見ることでたくさんの人々に社会の不条理を声を出して語りだす機会を与えてくれると思いました。「花はどこへいった」の歌詞にあるこの言葉「いつになれば人は学ぶのだろう」「when will you ever learn? 」
共に生活し愛し合っていたとしても、相手の真実を理解することは難しく、ましてや社会の事象を「言葉」「映像」で読んだり、見たりしてはいても、その先にある現実の世界に思いを至ることができるか、、、といえば私自身も往々にして単なる「知識」として過ごしてしまうことを坂田監督のお話で気がつくのでした。
メディアに従事することの意味、それは一人一人が自分らしく暮らしてゆくことが可能な豊かな社会形成の一助たらんとする情報を発信することであり、またその豊かな社会形成の障害とは何か?なぜ幸せの格差がこの社会にあるのか、、ということを止むことなく発信し続けてゆくことだと坂田監督のお話を聞きながら激しく自分自身へとつなげてゆきました。
by fmyykim
| 2009-08-23 12:04
| エンターテイメント